【電験二種過去問解説:電力・管理<H14 問4>】電力設備の塩害対策

電験

問題

電力設備の塩害に関して、次の問に答えよ。

(1) 塩害が電力設備に及ぼす影響について簡潔に説明せよ。

(2) 塩害による電力設備の被害を減少させるための対策について、項目を挙げて簡潔に説明せよ。

解答のポイント

塩害

台風、季節風の影響によりがいしが汚損し、フラッシオーバを発生させる

【塩害対策】

  1. 耐塩がいしの採用
     ひだを深くし、表面距離を長くする
  2. 撥水性物質の塗布
     シリコーンコンパウンド、1年程度で塗り替え
  3. がいし洗浄
     定期的な塩分測定と洗浄
  4. 密閉化、屋内化
     高コスト

解答

(1) 塩害が電力設備に及ぼす影響

台風や季節風等の風雨によって運ばれた海水の塩分がいし表面に付着すると、漏れ電流が発生することがあり、可聴雑音電波障害フラッシオーバが発生する原因となる。

(2) 塩害による電力設備の被害を減少させるための対策

  • 懸垂がいしの増結による過絶縁や、絶縁階級の高いブッシングを採用する。
  • 雨洗効果が良く漏れ距離の大きい長幹がいし、スモッグがいしなどの耐塩害がいし類を採用して絶縁の強化を図る。
  • がいしの表面にシリコーンコンパウンドを塗布し、撥水性により湿潤を防止するとともに、アメーバ作用によって付着した塩分をコンパウンド内に吸収させてがいし類の絶縁低下を防止する。
  • パイロットがいしにより塩分付着量の測定を行い、汚損管理限度を超えている場合にはがいしの洗浄を行う。(固定スプレー洗浄装置、水幕洗浄装置、ジェットノズル式洗浄装置など)
  • 重汚損地区では屋内施設として隠ぺい化を図るか、GIS (ガス絶縁開閉装置) などの密閉形機器を採用する。
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