問題
使用電圧 \(154\) [kV] の架空送電線路の電線 (裸電線) が、図のように径間の中央付近において樹木と接近しているとき、次の問に答えよ。
ただし、この径間の電線は均等に着氷雪しており、また、その径間では、電線の方向と直角な方向から風が吹き、がいし装置も電線と同様に横振れして図のような状態にあるものとする。

(1) 次の荷重を求める計算式を図中の計算諸元の記号を用いて示せ。
a. 単位長さ当たりの電線の風圧荷重 \(W_w\) [N/m]
b. 単位長さ当たりの着氷雪重量 \(W_i\) [N/m]
(2) 図のように、電線が風により横振れしたときの電線の横振れ角度 \(θ\) [°] を求める計算式を図中の計算諸元の記号及び上記 (1) の \(W_w\) , \(W_i\) を用いて示せ。ただし、がいし装置の重量は無視するものとする。
(3) 電線が風により横振れし、その角度が \(θ\) [°] であったときの電線と樹木との離隔距離 \(S\) [m] を求める計算式を図中の計算諸元の記号を用いて示せ。ただし、電線と樹木の最大揺れ範囲との離隔距離は、水平のとき最小となり、また、電線外径及び着氷雪の厚さによる補正はしないものとする。
解答のポイント
氷雪荷重と風圧荷重

合成荷重
\(\color{red}{W} = \sqrt{(W_0 + \color{blue}{W_i})^2 + {\color{green}{W_w}}^2}\)
解答
(1) a. 単位長さ当たりの電線の風圧荷重 \(W_w\) [N/m]

電線の垂直投影面積 \(A\) [m2] は、
\(A = (D + 2b) ×1\)
\(= D + 2b\) [m2]
であるから、風圧荷重 \(W_w\) [N/m] は、
\(W_w = P_wA\)
\(= P_w(D + 2b)\) [N/m]
(1) b. 単位長さ当たりの着氷雪重量 \(W_i\) [N/m]

着氷雪の体積 \(V\) [m3] は、
\(V = \left\{π\left(\displaystyle\frac{D}{2} + b\right)^2 − π\left(\displaystyle\frac{D}{2}\right)^2\right\} × 1\)
\(= π\left\{\left(\displaystyle\frac{D}{2} + b\right)^2 − \left(\displaystyle\frac{D}{2}\right)^2\right\}\)
\(= π\left\{\left(\displaystyle\frac{D}{2} + b + \displaystyle\frac{D}{2}\right)\left(\displaystyle\frac{D}{2} + b − \displaystyle\frac{D}{2}\right)\right\}\)
\(= π\{(D + b)b\}\)
\(= πb(D + b)\)
以上から、着氷雪重量 \(W_i\) [N/m] は、
\(W_i = V \cdot ρ \cdot g\)
\(= πb(D + b) \cdot ρ \cdot g\)
\(= πρgb(D + b)\) [N/m]
(2) 電線の横振れ角度 \(θ\) [°] を求める計算式


上図より、
\(\tan θ = \displaystyle\frac{W_w}{W_c + W_i}\)
\(θ = \tan^{−1}\left(\displaystyle\frac{W_w}{W_c + W_i}\right)\)
(3) 電線が風により横振れし、その角度が \(θ\) [°] であったときの電線と樹木との離隔距離 \(S\) [m] を求める計算式

立面図より、
\(L = S + d\sin θ\)
\(S = L − d\sin θ\)
\(= L − d\sin\left\{\tan^{−1}\left(\displaystyle\frac{W_w}{W_c + W_i}\right)\right\}\)
\(= L − d\sin\left[\tan^{−1}\left\{\displaystyle\frac{P_w(D + 2b)}{W_c + πρgb(D + b)}\right\}\right]\) [m]

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