【電験二種過去問解説:電力<R4 問7改>】電力系統の過渡安定度の判別法

電験

問題

 電力系統の過渡安定度の判別法の等面積法に関して、図を用いて簡潔に説明せよ。
 ただし、安定及び不安定となる条件を図の記号を用いて説明すること。

解答のポイント

電力系統の安定度

定態安定度

送電電力

同期化力

  \(\displaystyle\frac{dP}{dδ} = \displaystyle\frac{VE}{X}\cos δ\)

    \(\displaystyle\frac{dP}{dδ} > 0\) :安定

    \(\displaystyle\frac{dP}{dδ} < 0\) :不安定

過渡安定度

A点にて安定運転

事故発生

B点に遷移

\(δ\) 上昇 → C点まで加速

C点からD点まで減速

D点で折り返し、最終的にC点にて安定

安定度に寄与する方策

① PSS付高速AVR「電力系統安定化装置 (Power System Stabilizer) 付き高速自動電圧調整装置 (Auto Voltage Regulator)」

  • 発電機励磁系を調整し、発電機誘導起電力 \(E\) を調整
  • 定態安定度、過渡安定度ともに効果あり

② SVC「静止型無効電力補償装置 (Static Var Compensator)」

  • 無効電力を調整し、端子電圧 \(V\) を一定に調整
  • 定態安定度、過渡安定度ともに効果あり

③ 多導体方式

  • 電線断面の等価半径を大きくし、送電線のリアクタンス \(X\) を低下させる
  • 定態安定度、過渡安定度ともに効果あり

④ 直列コンデンサ

  • 送電線のリアクタンス \(X\) を低下させる
  • 定態安定度、過渡安定度ともに効果あり

⑤ 制動抵抗器

  • 事故発生時に瞬時に発電機に制動抵抗を挿入
  • 過渡安定度のみに効果あり

⑥ タービン高速バルブ制御

  • タービンの蒸気入口に高速で動作する蒸気加減弁を設置し、併せてバイパス通路を設ける
  • タービンの蒸気流入量 (機械入力) を高速度で抑制制御し、発電機の加速を防止するため、事故後速やかにタービンへの入口バルブを急速に閉めると同時にバイパス通路のバルブを開けて蒸気を逃がす
            ⇓
        機械的入力 \(P_m\) が低下
  • 過渡安定度のみに効果あり

⑦ 高速度遮断、高速再閉路

  • 高速度遮断により、事故区間を高速遮断
  • 高速再閉路により、減速エネルギーの増加

解答

 事故前は A 点にて安定運転しているが、地絡等の故障が発生すると発電機の機械入力 \(P_m\) が電気出力 \(P_e\) より大きくなり B 点に移動し、相差角 \(δ\) が増大する。
 C 点にて故障が除去されると D 点に移動し発電機は減速し始める。
 このとき、加速エネルギー \(V_k\) < 減速エネルギー \(V_p\) の場合には発電機は安定、\(V_k\) > \(V_p\) の場合には発電機は不安定と判定される。

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